現代社会は、個人的な問題から世界規模の課題まで、さまざまな困難や問題にあふれています。ニュースを見るたびに新たな災害や経済不況、社会的に弱い立場の人々がさらなる困難に直面する状況が絶えず報道されています。
アメリカの誰もが知る子供向けテレビ番組の司会であった「ミスター・ロジャース」は、湾岸戦争など世界の出来事に不安を抱く子供たちに、「助けてくれる人を探しなさい。世の中には、必ずあなたを助けてくれる人がいるから」と語りかけました。この言葉は、子供だけでなく大人が抱く不安感も和らげてくれるものですが、大人はこの困難な時代に「助ける側」となる責任があります。
最近になり、「Mutual Aid(相互扶助)」という言葉が注目されています。これは、地域社会のボランティアにより提供される支援や助け合いを意味します。Mutual Aidは、地域の困難な立場にいる人々の生活を改善すると同時に、私たち自身の生活や心も豊かに変えられる活動です。コロナが流行し始めた初期の段階では、ロックダウンや経済的不安、健康リスクの増大に伴い、こういったMutual Aidが急拡大しました。
毎日できる「優しさ」のアクション
すべての社会的、経済的、医療的な問題を解決するのは中々難しいことですが、Mutual Aidに参加することで、最低でも一人の人の生活を少しだけ楽に、そして明るいものに変えることができます。中には、Mutual Aidの活動に魅力を感じ、一般的なボランティア活動以上に熱心に取り組んでいる人もいます。ジョージア州アトランタに住むニッキー・クロフォードさんはその一人。ホームレスの人々に「移動式のランドリーバスとシャワー施設」で洗濯とシャワーを無料で提供しています。ここまで行かなくとも、高齢者の日々の細々した手伝いや、買い物や近隣への食事提供のサポート、衣類や生活必需品の寄付といった小さな日々のアクションも、大変貴重な支援なのです。
地域を助けることが自分自身の幸せにつながる
Mutual Aidは、その支援を受ける側だけでなく、提供する側にも大きな恩恵をもたらします。イギリスでの調査によりますと、Mutual Aidに参加した人々は地域への帰属意識が高まり、それがウェルビーイング(幸福度)の向上に繋がったとされています。今のような困難な時代に、この結束感はメンタルヘルスの向上に大いに貢献するものです。
またMutual Aidは、地域社会における「個人が行う活動」であるため、企業の慈善活動はこれに該当しません。とはいえMutual Aidは、十分な資金やボランティアがなければ活動自体がすぐに滞ってしまいますので、企業やビジネスからの支援は大きな支えとなります。
たった一人の力でも起こせる変化
この記事を読まれている皆さんも、それぞれの地域でできる小さな支援を探し、「助ける側」になってみてはいかがでしょうか。例えば会社近くのカフェに、高齢者に食事を届けるボランティアのチラシが置かれていたら、まずは同僚を誘って参加してみるのも良いかもしれません。火災で家を失った人のために寄付を募っていると聞いたら、上司に寄付用の箱を設置するよう掛け合い、食料品や衣類、おもちゃなどを集めてあげることもできます。一度この活動を始めてみると、このように次々と助け合いの機会が見つかるはずです。この機会に是非、あなたが働く会社、そしてあなた自身がどのようにしたら、ボランティア活動を通じてポジティブな影響を社会に与えられるかを、一度ゆっくり考えてみてください。あなたにも必ず、できることがあります。
(こちらは英語による執筆記事の日本語訳です。是非、オリジナル英語版もご覧ください。)

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