ワンクリックで加速する環境破壊|ネットと過剰消費からの脱却

効率の良さを追い求める現代社会。私たちは今、こうした環境で暮らし、生活に役立つ新しい製品への興味が尽きることはありません。そして実店舗やネット通販の至るところには、購買意欲をかき立てる広告があふれています。こうした企業のマーケティング戦略に影響され、私たちは本来必要な量をはるかに超える消費を日々続けているのです。

モノに困らない時代の大量廃棄

過剰消費が環境に与える影響は多岐にわたりますが、その中でも特に深刻なのが食料品業界です。皆さんは、年間にどれだけの食料を購入しているでしょうか。そのうち、実際にどれくらい消費し、どれだけ廃棄しているかを考えたことはありますか?ヨーロッパでは、一人当たり年間79キロもの食料が食べられることなく廃棄処分されており、世界全体ではおよそ25億トンにものぼります。形が不揃いだったり、ほんの少し傷があるだけで、十分に食べられるはずの食品が大量に処分される一方、世界の飢餓問題は依然として深刻な状態にあります。食料品の生産には膨大な量の水やエネルギー、人件費が費やされており、これらも無駄にされていることを考えると、環境への負荷は計り知れません。

一人が一年で廃棄する42.4kgの回避可能な食品のサンプル

2014年ニュージーランドでまだ食べられたはずの食品廃棄物は1世帯あたり年間42.4kg
Credit: Love Food Hate Waste NZ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons


過剰消費はファッションやIT業界にも

ファッション業界やテクノロジー業界も同様に、過剰消費の問題に直面しています。近年急成長したファストファッションは、大量生産と低価格で幅広い層に人気がありますが、その背後には世界で最も深刻な環境汚染が存在します。欧州議会の統計によれば、購入された衣料品の約半数が最終的に廃棄されているとされ、私たちは以前よりも頻繁に服を購入し、廃棄するようになりました。また、アップルのような大手テクノロジー企業も、毎年新しいデバイスへの買い替えを促すトレンドを積極的に作り出しています。たとえデバイスが壊れていなくても、常に最新機種を持っていたいと思わせるような広告やメッセージが消費者に強く影響を与え、その結果、大量の有害な電子廃棄物が生み出されているのです。

さまざまなApple製品が、元の箱とともに積み重なっている

実際のところ私たちは、本当は必要のないものを購入しているケースがほとんどです。ネット上には、ビッグデータを活用したアルゴリズムによって、消費者の関心や検索履歴に基づいた広告が自動的に表示されています。InstagramなどのSNSを利用している時に、以前検索した商品が急に表示された経験はありませんか?特にSNS広告は、FOMO(Fear of Missing Out:周囲から取り残されることへの恐怖心)を巧みに刺激し、憧れのインフルエンサーのような「理想の生活」を手に入れたいという欲求をかき立てるように設計されています。しかし絶え間なく消費を刺激するメッセージは、私たちの心や体、さらには環境にも、さまざまな悪影響を及ぼします。

消費で得る幸せからの脱却

現代では、食べ物や衣服、日常のあらゆる製品に対して無限の選択肢があることに、多くの人が価値や幸福感を見出しています。さらに、それらがわずか1回のクリックで手に入る便利さが、ここ数年の過剰消費を一層加速させています。しかし、「豊かな生活」は必ずしも消費と結びつくものではありません。消費を通じて社会や人とつながるという考え方を見直し、FOMOにとらわれず、依存性のあるオンラインサービスから距離を置くこと。こうした意識の変化こそが、私たちの経済的な負担を軽減し、かけがえのない地球環境を守るためには欠かせないのです。

ゲストライター M. Oyejolaによる寄稿

(こちらは英語による執筆記事の日本語訳です。是非、オリジナル英語版もご覧ください。)


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