増々複雑化する現代社会において、ダイバーシティという言葉は一般的にも認識されるようになってきました。オックスフォード辞書では、次のように定義されています。
Diversity
(1) 多様である状態、多様性
(2) さまざまな社会的・民族的背景、性別、性的指向などの異なる人々を包括的に巻き込む方向性や性質
更に今日の社会において、ダイバーシティ(多様性)はより重要な意味を持ちつつあります。それは、すべての人々に利益をもたらす「意識」と、他者を巻き込む包括的な実際の「行動」の両方を必要とし、前進させるものです。しかしこれはまた、人間の多くの異なる面に触れる複雑なテーマもはらんでいます。社会生活における何かしらの必要性によって生じるものであれ、それぞれが生まれ持った根本的な違いにより発生するものであれ、このダイバーシティについて認識し、認めあうことは大変重要なことです。実際には、単なる好みの違いといったものから、その違いが生まれた背景はともかく、他者の異なるライフスタイルを受け入れるといったようなことまで、あらゆる違いを認識し受け入れるという意味につながります。一般的には、ダイバーシティにはこのようなさまざまな側面がありますが、それでは「職場におけるダイバーシティ」とは具体的に何を意味するのでしょうか?
職場環境でのダイバーシティとは、自分ではコントロール不可である「自身に関することや環境」など ー 例えば人種、宗教、障害、性別、性的指向、年齢等 ー 多岐の範囲にわたるものです。社員達の健康状態や通勤等移動に関する問題など、個々の状況に合わせた幅広い働き方への必要性も、これに含まれるかもしれません。そしてこういう身近に起こり得る状況や周囲との違いが、職場での精神的プレッシャー、虐待、差別につながる可能性を持ち、残念ながら実際に起こっているというのが現実です。

ラーニングサイクルでは、このような「誰もが元々持っている違い」をより前向きに意識し、認識し合うことに重点を置いています。ですから、自分の考えや努力ではどうすることもできない事柄を理由に、周囲が差別するようなことがあってはなりません。社会や職場における問題は、マイノリティの存在自体ではなく、こういった少数派の人々に居場所を提供できていない、社会の方に問題があるのです。
私たちは、お互いの多様性を認め合い、真のコミュニケーションを通じて尊重し合うことが、調和のとれた組織を作り上げるという信念を持っています。
より豊かな未来への道を切り開くため、お互いの違いを認め受け入れることの素晴らしさ、大切さ。DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)において、私たちが非常に重要と捉えている価値観です。これは多数派の人々が自分らの利益だけを追求するという話ではありません。私たちは、社会から疎外された人々や、人とは違う外見、生活スタイルや恋愛観などを持つ人達のことをしっかりと考え、尊重し、配慮していかなくてはならないと考えています。
私たちが現在直面しているグローバルな問題は山積みで、それらを個人で解決することはとても困難です。だからこそ、私たちはこれまでの価値観、慣習や常識、地域的な縛りを超えて協力し合うことが必要ではないでしょうか。多様性を強みとするチームが互いに手を取り合うことで、ポジティブでより強いインパクトを職場や社会に与えることが出来ると、私たちは信じています。
(こちらは英語による執筆記事の日本語訳です。是非、オリジナル英語版もご覧ください。)








