外国の方を正しく呼べていますか?些細な事のようでも当事者には

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子供の名前をどのように付けるか。それは国や文化によって様々に異なり、子どもへの願いや希望を名前に込める国も多くあります。ナイジェリアやガーナなどでは「赤ちゃんの命名式」を親戚が集まる中で執り行い、名前はその一族の意向に沿って決められます。将来への希望、祖先とのつながり、その子が生まれた曜日にちなんだ名前が付けられるなど、その方針や基準もまた様々です。このように子供の命名に関しては、どの国でも家族で話し合われ、子供への愛情や希望をその名前に込める大切なプロセスとなっています。

社会に調和するための努力

しかし、欧米諸国に移住した人々が上司や同僚、友人たちに間違った名前の読み方をされたり、好ましくないニックネームを付けられたりするのはよくある話です。これは、欧米の人々にとって異なる言語の聞き慣れない名前は発音しづらく、覚えにくいためです。ニューヨーク市を拠点とする心理学者、ランジャナ・スリニバサン博士は、このような事例を「名前に関連したマイクロアグレッション(日常的に繰り返し行われる微細な差別的行為)」だとしています。こういった問題を避けるため、欧米への移民の中には「英語風の名前」を自ら名乗ったり、欧米の人々が発音しやすい名前を自分の子どもに付ける人も多くいます。

アイデンティティの一部でもある「名前」

私の知人や友人を見てみると、出身国の伝統的な名前と欧米風の名前の両方を持っている人が多いです。これは彼らの親たちが、「社会に馴染ませたい」、「就職活動で苦労しないように」、「名前を間違えられないように」と考えたためだと思われます。こうした配慮は、かつて欧米諸国の植民地であった地域に住む人々や、経済的な豊かさを求めて欧米に移住した人々の間でも、一般的なものとなっています。

移住先の文化に溶け込み、同化すること自体は悪いことではありません。むしろ多くの場合、それは移住者の人生においてとても良い経験となります。新しい言語を学び、新しい法律に従い、新しい場所で自分の居場所を確立することにより、自己達成感が生まれます。その一方で、個人個人が内に持つ信念を揺るがすような状況に直面すれば、自己肯定感や人生における充実感の低下につながる可能性も出てきます。就職や住居探しが難航した時など、自分の祖国の名前が原因なのではないかと感じることで、失望感は更に強くなってしまいます。それほどまでに名前とアイデンティティの結びつきは深く、「周囲が自分たちをどう見ているか、周囲にどう評価されているか」という部分にまで、考えが広がるものなのです。

小さな差別の繰り返しが大きなダメージに

実際、母国以外の場所で祖国の伝統的な名前を使い続けるのは、そう容易なことではありません。聞きとりにくいがために自分の名前を何度も言わなければならなかったり、間違った読み方を何度も何度も繰り返し訂正したり、人前で自分の民族性が注目を集めてしまったり、さらには欧米風ではない自分の名前が冗談のネタにされたりすることさえあります。社会的に弱い立場である場合は特に、こういった状況は出来るだけ避けたいところです。このような状況が繰り返し起こり常態化してしまうと、「目の前の相手は自分への敬意を払っていない」と感じてしまいます。マイクロアグレッションを気にしないよう努力している人にとっては大きな問題ではありませんが、多くの場合は「自分が新しい環境で歓迎されていない、居心地が良くない」と感じ、メンタルヘルスにダメージを与える大きな原因となってしまうのです。

言語の違いがある以上、時として人の名前を読み間違ってしまうのは仕方ありません。世界には言語の多様性があり、中々難しい発音の名前の人と出会い、読み方に苦労することもあるでしょう。しかし、その名前を何度も間違えたり、正しく覚えようとしなかったり、間違えたまま呼び続けたりすることは差別につながる可能性があり、特に数回訂正されても直らないようなケースは問題です。異なる言語や文化を背景に持つ友人や同僚を、本人たちが望む正しい名前で呼ぶことは、基本的で簡単だと思われるかもしれません。しかし意外と無頓着な人も多く、それでいて、多様でインクルーシブな環境を育むためには必要不可欠な行為なのです。

(こちらは英語による執筆記事の日本語訳です。是非、オリジナル英語版もご覧ください。)


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