従来の採用では追いつかない!キーワードは多様性とチャイルドケア

Credit: Semafor World At Work


ニュースウェブサイトである「Semafor」は先日、第2回目となるHR関連イベント「World of Work」をワシントンDCで開催しました。これは、Gallup社(世界的な世論調査・コンサルティンググループ)による、世界の職場の実態報告である「State of the Global Workplace Report」の発表イベントです。今年の調査は従業員のメンタルおよびフィジカルヘルスとその取り組みに焦点が当てられ、様々な業界のビジネスリーダー、学術・政府関係者らが招かれ、多数のパネルディスカッションが開かれました。

現代の職場とそこで働く従業員たち

パネルディスカッションでは、メンタルおよびフィジカルヘルスから従業員のウェルビーイング(心身ともに満たされた状態を表す概念)まで様々なテーマが取り上げられましたが、全てに共通した2つの重要なテーマがありました。まず1つめは「ダイバーシティ(多様性)」。企業にとって非常に需要な要素であることは言うまでもありません。事業を継続的に成長させるためには、新しい分野への拡大と、それに伴った人材確保が不可欠だとの認識も根付いてきています。そのため、新たな人材層へのアプローチや雇用条件、従業員サポートについても、新しい多様な形が広がりつつあります。

そしてもう一つの重要なテーマは、近年特に高まりつつある「従業員の会社への期待値について」です。実際、新たに優秀な人材を未開拓層から確保するためには、今より良い雇用条件や従業員サポートが必要になります。しかしながら、競争が激化する労働市場で一体何が決め手になるのか、優秀な人材はどんな従業員サポートに魅力を感じてくれるのか、その辺りを企業側が試行錯誤している段階だと言えます。今回のイベントでは具体策について多くの議論が交わされましたが、このポイントは非常に重要かつ今後の打開策になり得るとして参加者の意見が一致しました。

アメリカのチャイルドケアの現状とKinderCare社の例

アメリカで広く幼児教育サービスを扱うKinderCare社。同社でCPO(チーフ・ピープル・オフィサー)を務めるジェシカ・ハラー氏は、「家族に寄り添う職場づくり」のパネルディスカッションでこう話しました。 「KinderCareは米国42州で2,300以上の保育所と教育施設を運営しており、当社のスタッフはここでのサービスを全て利用可能です。また、各地域の企業とも提携し、従業員の育児支援も同時に行っています。」

KinderCare社の調査によりますと、これから労働者層へと成長する「Z世代」は、医療手当より育児手当を重んじる傾向があると言います。Z世代が社会に出るにつれ、当然ながら企業側は育児支援をより手厚くする対策が今より必要になってきます。非常に単純な話ですが、子どもを誰かに預けなければ、親は働くことができません。実は、米国の人口の半数以上は、近所に託児所があまり無いいわゆる「保育過疎地域」に住んでいます。この現状を考えても、子どもを預ける施設は親である従業員にとって非常に魅力的な労働・育児条件となり、企業にとっても今後不可欠になると思われます。

育児支援をグローバルな視点で考える

これは、米国だけの問題ではありません。日本も現在、育児休業や育児手当の拡充を進めており、今の若者たちが家庭をもった時に安心して「家庭とキャリアの両立」ができるよう、支援を整えています。

労働者の基本的権利、より良い生活のために重要な要素のリスト
(注釈:「働く上でどんな条件を重要視しますか?」という質問に寄せられた上位回答)

今後企業内の多様性が定着し、女性や低所得層の従業員が増えることとなれば、育児支援など充実した従業員サポートが間違いなく求められるようになります。ハーバード大学で労働力プロジェクト・シニアアドバイザーを務めるチケ・アグー氏は、「従来の雇用ルートや人材層からの労働力は既に皆刈り取られている状態にある」と、「次世代労働力構築」のパネルディスカッションにおいて述べました。となれば企業は既に新たな人材源を発掘する必要に迫られており、従来のターゲット層の枠を取り払って雇用を模索することが求められています。そしてその第一歩は、彼らが求めるもの、求めることに企業側が前向きに応える体制づくりから始まるのではないでしょうか。

(こちらは英語による執筆記事の日本語訳です。是非、オリジナル英語版もご覧ください。)


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